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【第1部】 第27話 気になっちゃう③

last update Huling Na-update: 2025-07-17 17:01:38

 教室の自分の席へ座ると、すぐに貴子が声をかけてきた。

「まーた、新たにキャラが増えたみたいね」

 貴子は瞳をキラキラと輝かせ、ヘンリーたちを眺めている。

 新キャラとは、シャーロットのことだろう。

 彼女は完全にこの状況を楽しんでいるようだ。

「そうなのよ……」

 私は机に突っ伏して脱力する。

 あの二人と私はクラスが同じ。

 常にシャーロットがヘンリーにベタベタしている姿を見せつけられなければならないのだ。

 なんで同じクラスにするかな!?

 まあ、どうせその方が監視できていいだろう、っていうおじいちゃんの配慮なんだろうけど。

 本当に余計なことしてくれるわ。

 シャーロットはヘンリー同様、一気にクラスの注目の的になっていた。

 現実離れしたその美しさと可愛らしさを兼ね備えた美少女。クラスの男子達はすぐに彼女に夢中なった。

 次々声をかけられていたが、彼女がヘンリーにしか興味がないと判明した瞬間、男子たちはすぐにあきらめムードとなった。

 ご愁傷様、と私は男子たちに憐みの視線を送る。

 ヘンリーはあれからずっと私を気にしている様子だった。

 こっちの方をじーっと見つめてくる。

 しかし昨日や今朝のこともあり、まだ私が怒っていると思っているのか、なかなか近づいては来なかった。

 私も別に怒っているわけではなかったが、ヘンリーを見るとなんだかムシャクシャして、どうも素直になれないでいた。

 昨日からヘンリーに優しくすることができない。

「ねえ、あんたたち、なんかあった?」

「え?」

「なーんか、ヘンリーと流華の空気感が変わったというか……。

 でも、いいじゃん! なんかお互い気にしてるっぽいし」

 貴子はにニヤニヤとほくそ笑み、何かを期待しているような瞳をこちらへ向けている。

「ヘンリーのこと、好きになった?」

「はあ!?」

 大声を出したので、クラスの視線が私へと集中する。

 恥ずかしくて、今度は小声で話す。
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